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Channel: MB マッスルバックアイアン名器巡り
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親父から受け継いだ事2/3

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偉大な親父の死亡手続きは「大変」、大仕事の一言に尽きた。通常、人一人死ねば手続きは3ヶ月かかると言われる。私は2ヶ月で終わったと思ったが、結局、3ヶ月かかった。私は昨年の7ヶ月間と言う長い闘病生活を終え、本年からは完全に本業に戻している。建築業界と言う過酷な分野で現場は待ってはくれない。疲れても休みは死亡手続きの書類作成、実家との往復でまったく休めず親父の死を悲しんでいる間もなく3ヶ月間走り続けた。平日は手続きで仕事を抜ける事が出て来た為、仕事先からこの3ヶ月で2度解雇を申し渡された。
 
 
親父の死亡手続きをしながらも、親父の頭の良さが分かった。文章には出来ないが年金ではかなり有利に支給を受けている。電気エンジニアの私が法律の知識などある訳が無い。親父はそれらを見越して私が法律家に騙されない様、私でも手続きが出来る様、申し送り書に記されていた。勉強はしたが手続きで一番大変な相続でも弁護士不要で自ら家裁に出向き検認を受け財産相続を済ませた。興味が湧き調子に乗った私は、金がらみで人は信用せず、特に関西人は危ないと思っているので、土地・家屋の相続も司法書士に頼まず自分で手続きを済ませた。

市役所のいくつもの窓口、年金機構、複数の銀行、郵便局での担当者の説明不足、ミスで当たり前の様に2度手間、3度手間を食らわされる。そんな中で思ったのは(世の中全体がそうだが)「知らない奴が馬鹿を見る」システムになっていると言う事だ。平たく言えば貰える金が貰えない。払わないで良い余計な金を支払わされると言う事だ。
 
 
精神的、肉体的に余裕の無い中で趣味のゴルフをやろうとも、やりたいともまったく思わなかった。中でも難儀したのが坊さんだ。一応、家系は日蓮宗となっているのだが、私は無神論者で宗教などまるで興味が無く、その分野は無知だ。まさか、ここに来て坊主の勉強をさせられるとは思ってもみなかった。まず驚いたのが仏壇に供える位牌。木製の札を黒く塗っているだけの物が平気で何万、何十万もする。そして、その位牌に刻む「戒名」。

これが日蓮宗だと通常の位で500000円、上級の位だと1000000円かかると言う。「なんチュー世界や」。坊さんは人が死ぬ度に100万近く入ると言うのか。坊主の勉強の結果、戒名(日蓮宗は院号と言う)は自分で付けれる事が分かった。人の名前には生きている時の俗名、そして死後の名前が戒名とされている。私は親父の事を想いながら親父の戒名を付けた。悲しみが湧いた。


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