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Channel: MB マッスルバックアイアン名器巡り
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テーラー・ツアー・プリファードMBvsミズノ・プロMP-4

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「暑いですね」。この暑さの中、滝の様な汗を流しながら練習する気も起きず、晩を狙っても「ムッ」とした熱気で足が止まる。ネットで試してみたいMBを見つけた。気になるMBは試打出来る大手ゴルフ用品店に置かれていた。私はクーラーの利いた大手ゴルフ用品店を梯子して自分のスイング、ショット、状態を確認する練習をする事にした。
 
気になるMBの前に目に入ってきたのが、もっと気になるミズノ・プロMP-4。「打てる」。と思ったが2セットあり、私が打ちたかったMP-4、DGS200での3番アイアンがある方はビニールが被せられていた。いくら図々しくても、このビニールを剥ぎ取ってレンジで打つ訳には行かない。もうワン・セットのMP-4は4番アイアンからで、しかもシャフトは軽量スチールのNS950。タダだし、後者を打つしか有るまい。MP-4 NS950 4番アイアンを打った。現在、スイングにまったく迷いが無く気持ち良く思い切り振りきれる状態「ムフフ、楽しみ」。
 
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久々に存在感のある良いマッスル・バック・アイアンだった。空いていたレンジは計測機器が設置されていない方。本当に自分の五感のみに頼り判断せざる得ない状況。かえって良かったかも知れない。先ず印象的だったのは「打感」。ヒットした瞬間は小さな丸が浅く、柔らかく吸い付いて弾く感じ。これだけだと何て言う事は無いが、驚いたのはその後時間差を置き「ドーーーン」とボールが吹っ飛んで行く感じが胸の中に広がった。その感触は重く、重厚感に満ち溢れている。こんな打感のアイアンは初めてだった。昔から国産マッスルと言えば軽く、線が細くチャチぽい感じが否めない中、ミズノ・プロMSの「重厚感」に初めて出会った、あの感動に似たものがあった。イージー化ばかりが進み、色々な意味において「軽く」なって行く現代クラブの中において、このミズノ・プロMP-4の重厚感に私は思わず嬉しくなった。「私好みのアイアンだ」。
 
ミズノ・プロMS-1を打ち込んできた私に取って難しいアイアンは少ない。今まで打った中で言えばやはりミズノ・プロMS-1とナイキのVR・TWフォージドぐらい。だから打ち易さを語るには隔たりが出来るかも知れませんがMP-4は簡単だった。私の場合、昔からミズノMBは横ブレが発生し難く、拾い易い物が多い様に感じる。MS-11、MP-33、MP-69等言い出したらキリが無いほどだ。傾向としてミズノ・プロと比較すれば昔の米国2大メーカーの代表作、マグレガー・ターニー、ウィルソン・スタッフの方が縦ライン(ダフリ、トップ)も横ライン(ヒール、トウ)も芯を捕らえるのは難しい。
 
レンジの的には「ドッコーーーン」と物凄い爆音を発していましたが、問題はこの「ドーーーン」と重く吹っ飛んで行く打感の通り、重たく強いボールが出ているのかどうかだ。これはミズノでMP-4のクラブ・レンタルを行っているので試してみても良いだろう。5番からの設定しかないのが残念だが。しかし、(芯で捕らえた)ショットの満足感が身体中に満ち溢れるアイアンである事は確かだった。
 
4番アイアンの割には出球の角度が高く、ロング・アイアンでも高い弾道が出し易い事を連想させられる。3番アイアンを打ちたかった。
 
捕まりは頃合いの良いほど良さを持っていた。捕まえ損ねるとスライス系、右ミスになる感触を得た。このアイアンはフック、スライスで区分すると明らかにスライス系である手応えを得た。
 
次にマッスル・バックならではの操作性について述べてみよう。答えは簡単。スライス系アイアンである事からインテンショナル・フックは出し難い。練習を積む必要があるだろう。全英オープンでセルヒオ・ガルシアが使っていたテーラー・ツアー・プリファード・MB。中々、良さそうなMBだと直感した。ミズノ・プロMP-4を打つ前に実は他大手ゴルフ用品店でこのテーラー・ツアー・プリファード・MBも打って来ていた。MP-4の様な打感に感動はなかったが、こちらはドロー系。フェイスを被せれば勝手にフック系になってくれる。捕まりは鋭いほど良い。打感に感動はなかったが、MP-4よりインパクトでのボールのコンタクト時間(フックの巻き込んだ感じ、スライスの切った感じ)や回転がソリッドに伝わってくる。本来のマッスル・バックらしいマッスル・バック・アイアンだった。
 
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※前作のツアー・プリファードは新作(写真上)に輪を掛け捕まり、打感がシャープ、鋭かった。
 
インテンショナル・スライスはMP-4についてはすこぶる打ち易い。テーラー・ツアー・プリファード・MBについては捕まりが良いので、そのまま左に抜ける心配もあるが、インテンショナル・フックを操作出来る人にとっては問題なくスライス系も出し易い。試しはしなかったが、TN-87の様にヤード刻みでコントロールし易い手応えを得られた。バック・フェイスの形状もTN-87と同じ、ベン・ホーガン・パーソナルの形状を受け継いでいる(真似している)。
 
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さて、問題はMP-4のインテンショナル・ショット時の打感だ。これは、先に述べた「小さく軽く柔らかくコンタクトした後ドーーーンとボールが吹っ飛んで行く感覚胸の中に広がる」が基盤に大きくあり、インテンショナル・ショット時もこの打感が大きく前面に出てくる。プラス・アルファ、少しオマケ的にボールのホールド感や回転感触が加わってくる程度。当然、打ち込めば打ち込むだけその小さな感触を大きく感じられるようになるのは当然の事で説明するに及ばない。ここでは第一印象での話である。
 
 
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ここでMP-4のMBとしての存在意義に疑問が生じた。これはミズノだけでなく現代のMB全体に言える傾向的な話だ。インテンショナル・ショットはフック系の方が打つのが難しい。スライス系インテンショナル・ショットであれば現代の猛烈にフェイスの向きに対する直進性が強いキャビティ・アイアンでも打つのは難しくは無い。インテンショナル・フックが打ち難いのであれば操作性の良いと言われるMBを使う意味は何なのか。打感の良い現代MBは多い。本間の最新MB、TW717Mなんかはボールをヒットした瞬間、フェイスから「ドピシューーー」と何かが飛び出して来る様な感触に、官能的で胸すく思いに駆られる。しかし、インテンショナル・ショットの打感はその打感の補足的な物に過ぎない。現代MBの多くはMBならではのダイレクトでソリッドに五感に伝えてくる情報量の多さと言うのは少なくなり、軟鉄CBと変わらない。
 
インテンショナル・フックの打ち難さ。インパクトでの五感に伝える情報量。これらがCBと変わらないのであればMBを使う意味とは何なのか。
 
私が考えるにはCBの様にバック・フェイスが抉れていないのでパンチ力が有り、強い球が打てる。従ってダウン・ブローで捕らえられる人は高い球も打てる。打てる人はロング・アイアンでも高い球が出せグリーン上から落とせる。スイング・スピードの調整、振り幅、クラブの入れ方等でスピン・コントロールが行い易い。CBの様にロフトが立ち過ぎ、短いアイアンとのロフトが開き過ぎておらず、ロング・アイアンからショート・アイアンまでのロフトの幅が一定間隔の為、飛距離のコントロールがし易い。スイング通りの球しか出ないので正しいスイング作りに良い。と言ったところだろうか。
 
しかし、今回発見したテーラー・ツアー・プリファード・MBの様にフック、スライス系のインテンショナル・ショットがヤード刻みでコントロールでき、最近では珍しいヨネックス・E・ZONEに次ぐインパクトでの五感に伝える情報量がダイレクト且つソリッドで非常に多い打感の本来のマッスル・バック・アイアンも存在する。
 
フック、スライス双方の操作性が良くインパクトでの打感での五感に伝える情報量が多い本来のMBを好むのかインテンショナル・フックを出し難い、インパクトでの五感に伝える情報量が少ないが全面に出る打感が気持ち良く、ボールが良く上がり、打ち易い現代流のMBのどちらを選ぶかは使い手の好みであり自由だ。
 
ミズノ・プロMP-4は現代流のMBであるが、打つ事の楽しさ、喜びは大きく私はこの事実を素直に認たい。最後にMP-33とMP-4の比較になるが、私はMP-4よりインテンショナル・フックが打ち易いMP-33を躊躇無く選ぶ。
 
現代MBの批判をしている訳ではない。存在意義(使用する意味)に疑問が生ずるMBが多いことは確かだ。MB使っていたらカッコイイし、芯食えば打感がサイコーーーってか。
MBを使う人はMB使用にどの様な意義を見出しているのか。私は「スイング通りの球しか出ない」事を前提とした技術向上が根底にある事を信じたい。
 
 

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