それでは、それぞれの分野で歴代NO.1のMBを私が打った中で紹介していきます(クラブ説明はあくまで傾向的な物で装着シャフト、ライ角調整によって変化が出るのは当然の事です。しかし、現代MBのDGS200装着が一般化している様、当時の装着シャフトDGR400が定番でした)。MBでダウン・ブローに捕らえれば通常、高弾道になります。しかし、例外もありますので、それらのみ弾道傾向を記載しました。軟鉄MBは±2度までのライ角調整で左右の弾道特性を変えられますので下記紹介のMBも自分に合わすのに何をどうするかが分かると思います。
<2番アイアンの打球の高さ、2番アイアンの打ち易さ>
・ウィルソン・スタッフ・ダイナパワー・カスタム・グラインド
(ストレートからドロー系)DGS400
このアイアンは全ての性能、トータル・バランスにおいて過去最高のMBでした。しかし、装着シャフトの設定がDGS400と重いのが厳しいでした(当時、私のベストはDGS300でした)。当時は現代の様にリシャフトが一般化されておらず、リシャフトしたとしてもバランスの関係で上手く行くとは限らなかったでしょう。
・ウィルソン・スタッフ・ツアー・ブレード(ストレートからドロー系)DGR400
このアイアンは上写真のダイナパワー・カスタム・グラインドを忠実に再現した物ですが、ダイナパワーの時代が過ぎてからは比較的ヘッドが軽いW/S中ではヘッドが利いており一番強い球が出ました。このMBではライ角を2度、フラットにしややドロー系からストレート系に性質を変え上手く行きました。
・ウィルソン・スタッフ・フィールド・フィール(ストレートからドロー系)DGR400
若い頃、ゴルフ用品店の兄ちゃんが「W/S、球よう上がるで」の一言と、当時、憧れの安田春雄プロがW/Sを使用していた事から私とW/Sの付き合いは始まりシニアに至るまで続きました。
<弾道の強さ・弾道の再現性(安定性)>
・マグレガー・ターニー・クラシック(ドロー系)DGR400
このモデルは当時の帝王ジャック・二クラウス氏がマグレガー90周年記念に監修し日本人に向けて送られた物ですがマグレガーのクラブ作りの通り非常にハードな物でした。余りの美しさにほだされ購入してしまったモデルですが、トータル・バランスでウィルソン・スタッフを抜きました。私はあの美しいホーゼルのグリーン・ソケットに傷を入れてまでライ角を2度、フラットにしドロー系からストレート系に性質を変え上手く行きました。私が打ったマグレガーMBは放物線的に「ドッカーーーン」と大砲の様に飛んで行く弾道が多い中で、このモデルは大砲の様でも二次曲線的に大空高く舞い上がる美しいものでした。弾道の安定性が高いMBは多いでしたがマグレガーはいつ打っても同じ傾向の球が安定して出てくれその再現性を含め飛び抜けていました。他ではベン・ホーガン「パーソナル」もミドル・アイアン以下では良い物を持っていました。
<操作性の良さ>
・ミズノ・プロTN-87(ドローからストレート系)DGR400
(※MP-37はゴルフ用品店のレンジでしか打った事が無く正確な情報を伝えられません)。
インテンショナル・フックもインテンショナル・スライスもこれほどフェイスの開閉度合いに忠実に弾道が付いてきてくれ数ヤード刻みで操作出来るアイアンはそうそう有りませんでした。私はこのMBで他では有り得ない、先ず出ない大プッシュが時折出るためお別れとなりましたが、今振り返って考えると軸ブレに非常にシビアなアイアンだと思います。ミズノ・プロTN-87を握り当時のスター中島常幸プロになった気分で力みが入り体が突っ込んだ事が原因だと思われます。
・ベン・ホーガン APEXフォージド(ストレート系)APEX④
このモデルはデザインも良く、基本ストレート系でフェイスの開閉だけで非常に高確率で操作が行えました。しかし、APEXシャフトと言うのはDGより少し軽目で打球が異常に速いのが特徴で、私は重量を含め、余り好みでは有りませんでした。
<左への行き難さ>
・ナイキVR TWフォージド(スライス系)DGS200
このアイアンはミドル・アイアンでも半端なパワーでは球が上がりません。アマのセミ・ハード・ヒッタークラスで手に負える代物では有りません。左への行き難さと言うより右への行き易さ(大プッシュ)が猛烈に強いMBです。
・ミズノ・プロMS-1 AUTHORIZED BY MIZUNO PRO STAFF(スライス系)
DGR400中弾道
私が交通事故で腰をやられ、ゴルフを再開するも下半身が負け過ぎてフックしか出なかった時、ゴルフ仲間からこのクラブの存在を知らされました。このMBとの出会いが無かったら私はCBに走っていました。今でこそ腰は大分、マシになりましたが当時、そんな身体の状態でも唯一、定規で線を引くが如くストレート系が出てくれたのがこのMBです。通常、中弾道でマグレガーに負けない強く、重い球が出ますが、本当に綺麗に入れれば二次曲線を描く高弾道になります。1980年代では「ゴルフが上手くなりたければミズノ・プロMS-1オーソライズを使え」と言われたぐらい国産ではハードな物でシッカリ、ダウン・ブローに捕らえないとボールが上がらず、飛ばない人も多いでしょう。私はこのミズノ・プロMS-1オーソライズの2番アイアンの打球を遂に二次曲線的に浮かす所まで行き、私のゴルフの夢である一つの達成の底上げが出来ました。
<二次曲線を描くの弾道の美しさ>
・ミズノ・プロTN-87(ドローからストレート系)DGR400
しかし、中島常幸プロも操作性と言い弾道の美しさと言い素晴らしいアイアンを世に残してくれたものです。スイングと言い中島プロの美意識の高さバランス感覚の高さが伺えます。これはこの分野では右に出るモデルが無いほどダントツ・トップの存在です。イメージとして「鯉の大滝登り」と言う感じで、目の前に出てくる巨大な滝に鯉が「グーーーン」と上って行く感じです。他のMBとの違いは二次曲線的に大空高く舞い上がるその上昇角度に自分でも惚れ惚れさせられてしまう物でした。胸すく思い。「陶酔させられます」。私が唯一やり残した事は後継モデル?のミズノ・プロTN-91を所有する機会を逃した事です。レンジで打った事が有りますが、シッカリ目で骨太なまさに男気溢れた打感は私の好みにピッタリの物でした。
<打感>
・ベン・ホーガン APEXフォージド APEX④(残念ながら年式は覚えていません)。
(「ズッシャーーー」と腹に重く響いて来る官能的な打感は過去最高のものでした。気持ち良さだけだは無く、ベン・ホーガンはインパクト時の情報(コンタクト時間、回転方向、回転量、当たりの箇所、厚さ、抜け等)を詳細に明確にダイレクトに伝わって来る物が多かったと記憶しております。ちなみにヨネックスEZONE MB初期モデルもインパクト時の情報伝達に優れたMBです。
<簡単さ>
・リンクス・マスター・モデル(ドロー系) オリジナルシャフト
このモデルはSWでは昔、青木功プロを始め多くのプロが多用し一世を風靡しました。しかし、ステンレス製でヘッドの調整は出来ませんが他の番手の性能も良くロング・アイアンは上がり易く、ミドル以下は非常に打ち易い物でした。弾道も強く重く高くユッタリとしており安心感が得られ名器と呼ぶにふさわしいでしょう。しかし、ドロー傾向が強く、ステンレス製でライ角調整が出来ない為、現代のデカ・ヘッドDRとの組み合わせはタイミング的にアン・バランスな物となるでしょう。このモデルには超軽量シャフトが装着されている場合が有りますので購入時は注意が必要です。
その他にも昔の良いMBは多く有り過ぎて紹介しきれませんので、ここではNO.1のみの紹介と致しました。詳細を知りたい方は本ブログをほじくり返して見てみて下さい。
色々述べましたが要は私はMBが好き。同じMB使いにショット・メイクで負けたくはない。同じ事を言いますが、私は年齢的に体力、パワーに自信を失い軽量スチールのMBを物色した事がありました。しかし、今年、病気をして退院後、ヘロヘロの身体から水泳で身体を鍛え(体力回復の為行わざる得ないでしたが)「ゴルフ再開はMBから」と上を向いた事で、現在DG装着のMBを物色するほど以前の弱気な自分とは変貌を遂げました。「考え方一つ、気持ちの持ち方一つ」でここまで大きな差が生まれたのです。今、振り返ると「何でそこまで弱気になっていたのだろう」と思います。それは体力やパワーが無くても良い球が打てる現代クラブと言う楽な手段もあったからです。楽に逃げた時から崩れて行くのが人間のと言うもので、弱さでしょう。メーカーの宣伝に乗せられかけました。無理する位ならその方が全然良いですが、「まだ早い」と現段階では身体が結果を出しました。
風を突き抜け、二次曲線的に大空高く舞い上がり自分でも惚れ惚れ陶酔できる、胸すくMBの弾道で打球がグリーンにヒラリと舞い降り「ビシッ」と止まる、ゴルフをやるならこの醍醐味を味わわずしてどうする。味をしめた貴方は「正のスパイラル」で持ち球を確立し、操作の名手になっている事でしょう。
打痕の濃さから何度打ってもスイート・スポットの同じ位置でボールを捕らえ(スイート・スポットはもう白くなり破れる寸前です)、ソール下部の横線跡がボールを捕らえた後、ターフを取っている事が分かります(ダフれば打痕はフェイスのもっと上部に付き、ボールを捕らえた後マットを擦らないとボールの打痕はここまで大きくなりません)。「MBもCBも難しさは変わりません」。「考え方、気持ちの持ち方一つの違いだけ」です。MBを1980年ゴルフ開始から何十年と打ち続けた結果がこうなるのです(現58歳9ヶ月)。上記MBのコメントはこのスイング精度で述べたものです。
by KEN
<追記>
現在の私は病気で1年、ゴルフから離れ退院後2ヶ月水泳で鍛えてからクラブを振り出しましたが1日10分、3日目の計30分で未だ未だ打点は散らばっていますが悪くても芯周辺で捕らえ出しました(使用MB:ミズノ・プロMP-33ライフル、BSレクスター・プロプレシジョンFM)。4日目には使用アイアンが軽く感じられ久しぶりにオークションで昔のMB(DG装着)を物色するほどに回復しました。しかしオークションを見てみたところ、つい数年前より昔のMBでも全体的な傾向としては非常に品薄で高価になっており、程度も悪くなっていました。そんな時は割高にはなりますが「eBay公認セカイモン・オークション」で自分の手に入れたいMBが見つかります(逆輸入も有り)。