BMW。憧れを抱いているドライバーは数知れないだろう。事実、GOO中古車の検索件数でもトップに来ている。車は趣味性、実用性、ステイタスとあらゆる面での選択肢がある。最近、若い人をはじめ車を持ちたがる人口が激減している。それだけお財布に余裕が無いと言う事。街中を走っていても富裕層、節約層(仕事車含む)とハッキリ分類される傾向が強まっている。
実は私は昔、BMWの確か3シリーズに乗った事がある。ポルシェに乗っていた私は特に感動は無く極々「フツー」の車以外の何物でもないとしか感じられない。強いて挙げれば国産より足回り、ボディ等剛性を感じられたぐらいの事だった。30年ぐらい前ではBMWはドイツ仕様の物をそのまま日本で売っていた。ドイツは寒い。それを四季折々、特に夏は暑い日本でカッ飛んでいたらオーバー・ヒートするのは当たり前。冷却系が弱いと言う事とは意味が違うのである。現代、BMWも日本仕様で売られているので、そこまでの心配は無い。問題は外車は故障が多いのではなく、購入者側の考えの甘さだ。新車で500万以上する物をまともな車で何十万で買える訳が無いやろが。「恋は盲目」とはこの事。購入価格の何倍もの金をかけ、キッチリ整備すれば国産と比較して故障が多いとは言えない。性能を維持するのに国産車よりきめ細かなメンテナンスを要する事は事実でパーツ代も国産より2割高。それとBMWを含めた外車をシッカリ見れる店、技術者は限定され、車検も高い。昔の悪いイメージが未だに残り、何もかも一まとめで故障が多いと言う認識をドライバーに植え付けられている中でのBMW販売は同情の余地さえ出てきそうだ。
このタイプは2つ型落ちで主流になったタイプ。2200ccの318iと2000ccの320iがラインナップされており、直列6気筒Eg。走りがどうこう言うレベルの車ではないが重量感がありパワー感は下写真一つ型落ちタイプの直列4気筒よりあるので高速道路走行を考慮に入れるならこちらの方が適切(内外装が綺麗で中古市場車体価格30万台で楽に見つかる)。写真はブラックに見えるが濃紺。欲しくなる気持ちが分からない訳ではなくなる魅力はある。
しかし、BMWで走行距離が少なく安い車と言うのは故障を直せず眠っている期間が長年あったり、車検が残っている物は修理に金がかかり過ぎ、オーナーが手に負えなくなって手放したケースも多いだろう。故障が多発しない領域までキッチリ整備まで出来なかったオーナー、整備はしてもその後、きめ細かなメンテナンス対応を継続出来なかったオーナー。「数知れない事だろう」。人は気に入ったものや良いものは簡単には手放さないものである。日本人のBMW選びは見栄が多いと感じられる。しかし「外車=金持ちーーー」と直結する超ド・シロウト以外に対しては古いBMW所有はまったく、ステイタスにならないどころか、クラス上のBMWオーナーに心の中で笑い者にされる方が圧倒的に多い事となるだろう。超ド・シロウト相手に見栄で外車に乗っている人間は内面、「古い車」と言うコンプレックスを常に抱える事になるだろう。悪戯としての発想だが、気を良くしている(調子こいている)中古外車オーナーに「古ーーーッ」と一発かませば、当人は青冷めし、気持ちは真っ暗、泣きそうに「俺はこの型が好きなんだ」と自分を正当化してくる事だろう。「要は新車を買えない金持ちでも無い人間が無理をすると鉄くず以下の存在(走れず修理費ばかりかさんで行く)でしかないのが古く、安いBMWの正体だと言っても言い過ぎではない。中古車全てに言える事だが外車、しかも高価になればなるほどその傾向は顕著になる。よほどの思い入れが無い限り、新車を買えない人間が外車など手を出すものではない。無理は破滅を招き、甘さは失脚する事を肝に銘じて置く事だ。
しかし、余りにも格好良く私の好きな濃紺で手頃な価格のBMWが近くの兵庫県にあったので「一応見てみる事にした」。「格好良い」。先に述べたが私はBMWはこの濃紺が似合っている様に感じてならない。座席シートに座った。「これは違うわ!!!」。この心地良い空間。物凄い高級感、心地良さ、快適性、満足感、喜び、所有への欲求。座席シートにつき思わず嬉しくなった。洗練された大人の優雅な空間と言えよう。「いいわ、コレ」。例えオートマでもコレならイイ。P/Wが「10」に迫り、カローラ、サニーどころか原付にも到底かなわないノロさでもイイ(※これは私は無理)。これがキャッシュでポンと買える価格でココに並んでいる。思わず買ってしまいそうな勢いが出てしまったほどだった。BMWは思っていたより随分、印象が良かった。車は「走るだけでは、無い」と言う事を認識させられた。トヨタマークⅡ、XにATで我慢出来るほど素敵なBMWの内装快適空間は無い。しかし、前文で説明し様な金の使い方で馬鹿げた(乗っている期間が保てないほど修理、整備に金がかかる)事をしている場合では無い。
このタイプは一つ型落ちで現在でもよく見かける。320iとなっているが実際は2000cc、直列4気筒Eg。これはさらに走りがどうこう言うレベルの車ではないが直4の為、上写真の直6よりハンドリングに軽快感がある。そして、この車は街乗り用と割り切れないと余りの遅さに付き合いきれなくなる。(これも内外装が綺麗で中古市場車体価格30万台で楽に見つかる)。同じ形でもライン・ナップは多いので興味のある方は調べてみるのも良いだろう。
それにしてもここらの年代からのBMWの内装、居住空間は写真では分からないが、他とは一線を画する。高級感、心地良い快適性、満足感、充実感。私に車は走りだけの物では無いと新たな境地を開いてくれた。買わなくても、この居住空間を味わう価値は大きいものとなるだろう。
車など余計な金がかかる物と付き合う人は、突き詰めて言えば車が好きなのだと思う。そんな人間が自分より格下やチビこい車に「ビュウンビュウン」抜かされ、良い気持ちがするとは考えにくい。そもそもBMWは見栄やステイタスで乗る人が多い中、自分の気持ちにケリをつけられるであろうか・・・。
BMWに座った後、何だか狭く、窮屈なセリカSS-Ⅱのコックピットに納まる抵抗感や餓鬼っぽさが頭をもたげて来た。趣味性のセリカSS-Ⅱとまともな車なら頑丈で実用性が高く心地良い快適空間のBMW。どちらも大きな長短所がある。中間を取って、セダンのマニュアルを探して見る事にした。